ピオフィオーレの晩鐘 -ricordo- 全体感想【ネタバレ無し】

時は、20世紀初頭。
舞台は、第一次世界大戦直後の南イタリア『ブルローネ』。
この街を支配するのは、ブルローネ・マフィアと呼ばれる３つの組織。
ブルローネで静かに暮らす主人公『リリアーナ』は、
とある事件をきっかけにいずれかの組織へと身を寄せることとなる。
なぜ彼女が狙われるのか。
なぜ彼女は求められるのか。
期せずして鍵を握る存在となった『リリアーナ』は非日常へと巻き込まれていく――。

公式サイトより引用

マフィア血みどろアドベンチャーの名に違わぬ人死にゲームでした！

ピオフィ、そもそも刺さるキャラがいなくて発売当初は買わないつもりだったんですよ。年上より年下派だし余裕ないキャラのほうが好きなので。それが去年シナリオいいから！って人におすすめされたやってみたら面白かった！と。そんな感じです。この手のゲームはプレイ前に突出した推しがいない分箱推しになりやすい気がする。

 ゲームについて

システム面に関してはいつも通りのオトメイトシステム。スタッフブログでも散々言われてましたけどパラメータがほぼアハ体験なので細かい変化は確認し辛いです。
今作で特徴的なのは攻略時に突如発生し、選択すると別キャラ視点のシーンに飛ぶMSシステム！基本発生した時に読めばいいように作られているのですが、何も考えずに出てくるままに見ているとBADエンドにたどり着いてしまうことも…。自力攻略の時は注意が必要です。

音楽面ではBGMはただただ好きですね。詳しくないので正しいかはわからないですけど地中海感に溢れていたと思います。おしゃれ。
SEが凝っていて特に銃の発砲音はキャラごとに違うそうです。聞いててすぐにわかるものでもないんですが意識した上で聞くと楽しいです。

シナリオはめっっっっっっちゃ面白かった。恋愛面の描写とその他のストーリの動きがどちらも蔑ろにならずにまとまってるなと感じました。シナリオの大半が個別ルートな今作ですがどの個別ルートでも別ルートのキャラ普通に敵だったり味方だったりで出てくるのでそれも個人的にはポイント高いです。BESTエンド以外のエンドも丁寧に描かれていて地味にBADエンド好きの私は大満足でした。スタッフブログにて各キャラのルートテーマが紹介されているんですが全体的に強い納得感を得られます。

ちなみに攻略制限がございまして、はじめはダンテか二コラのどちらか、片方をクリアしたら楊とオルロックが開きまして、それらをすべてクリアしたらギルバートとなります。そしてこの5人のルートをすべてクリアすると大団円エンドと隠しキャラエンドが解放されます。私は
二コラ→楊→ダンテ→オルロック→ギルバート
の順に攻略しました。
ダンテがメインヒーロー故にか思いっきり全体の物語の核心に迫る話になっているのでいきなり真相に迫りたい方はダンテから、枝葉末節からじわじわ攻めたい方は二コラからやるといいと思います。
あとオルロックはダンテの後にやるとショック倍増するのでお好みに合わせてどうぞ。

キャラクター

  特に強くそそられるキャラのいなかったピオフィ！キャラ好き順は
プレイ前
二コラ＝ギルバート≧オルロック>ダンテ>>楊
でした。楊みたいに気分でめちゃくちゃやるタイプのキャラ苦手なんですよ…。
そしてプレイ後
オルロック≧ギルバート＝楊＝ダンテ≧二コラ
になりました。まさかの楊大躍進。そしてどうした二コラ。まあこれはあくまで私の感想なので。体感では二コラ1番好きって方も少なくない気がしています。いや好きですよ二コラ、好きなんですけど素直に好きって表明するのなんか癪なんですあいつ。

ではキャラごとにちょこっと感想をば…。

ダンテ・ファルツォーネ

こう表現すると失礼かもしれないんですけど1番予想通りなキャラクターでした。ダンテ本人に対しての驚きはあんまりなかった。鉄板のギャップとはいえ頼れる強い1面をしっかり描写した上での弱いところが見えてくるので普通にキュンキュンします。攻略対象の中だと年下の方なんで可愛いですね。

ギルバート・レッドフォード

自信満々の男ってかっこいいよね！以上！ピオフィってリリィちゃん一般人だし男たちはマフィアなので基本的にこっちをしっかり守る感じで動いてくれるんですが、ギルは一番リリィちゃんのことを対等に扱ってくれていたと思います。弱い面がないわけではないんですが本作だけだとあんまり見えてこないので終始かっこいい男です。人たらしで魅力に溢れるかっこいい男、それがギルバート。ちなみに私は口説き文句で吹きました。ギルは許してくれるそうです。

楊

 割と公式サイトに書いてあることがすべてな男。あんまり意外な一面とかは感じませんでした。でもBESTエンドがずるい。素敵すぎる。私は延々と再生してます。こんなに好きになるとは思わなかったのにどこをどうして好きになったのかと言われるとうまく説明できない…。まさに【篭絡】されてしまったのかもしれませんね。あとシンプルに色気はすごい。

二コラ・フランチェスカ

二コラ・ずるい・フランチェスカ(公式)いやほんとずるいこの男。わりとやってくることが酷いのに嫌いになれないしほっとけない。女の扱い上手くて甘えるのも上手いの本当に腹立つ。こいつに感情ぶん回されて1人でやきもきしているのは大分癪です。くっそう…好き。余談ですが二コラは1926のシナリオが大分面白そうだったので早くプレイしたいですね。

 オルロック

幸せにおなりなさい…。唯一のがっつり年下ポジションなのでまあ可愛いのは当たり前なんですけど。全体通してひたすら健気かつ周りの環境が割とひどいので庇護欲そそられまくりでしたね。まあこっちは守られる側なんですけど。シナリオ通しての変化や成長は一番大きいキャラだと思います。あとアフターストーリーがヤバい。

まとめ

前評判に違わぬ非常にクオリティの高いゲームでした！血みどろの世界とそこに生きる男たちの誇りを存分に感じられました。酒と女と煙草と薬、あと拷問とマフィアの後ろ暗いところもしっかり描きつつあくまで乙女ゲームとしておしゃれにまとまっていたのはすごいことなのでは…？

個人的に裏社会の話には薬が絡んでいて欲しい派なのでそういう点でも楽しめましたね。バッカーノとか好きなので。

というわけで！！裏社会のマフィアとか！そういうモチーフが好きな人には強くお勧めできる作品だと思います！！極端に殺伐なのとかグロいのが苦手とかでなければよっぽど楽しめるのではなかろうか。みんなやりましょう！